広仁苑
しなふ[科布]
「榀布」とも書き、科の木の樹皮を細く裂いて織り上げた布ことを言う。
初夏、梅雨の水をしっかり吸った樹皮を剥ぐ。外皮と内皮に分け、淡い茶色をした内皮だけを用いる(残った外皮などは乾燥させて冬の薪にする)。それを川に浸し汚れを落とし、柔らかくしてから一昼夜かけて灰汁煮きをする(この際用いる灰は、冬の間に囲炉裏やストーブで燃やした材木の灰)。続いて熱いうちに揉みほぐし、川に晒して灰を洗い流した後、糠水に2〜3日浸けて醗酵させることで漂白し、さらに川に晒して陰干ししておく。と、ここまでが夏の作業。そして雪が多くなる初冬から糸を紡ぐ(ここでは科積み[しなうみ]という)作業、織る作業と続き完成の運び。
一時は衰退しかけた科布も、山村における伝統技術の保存と普及の努力が実り、1970〜80年代になって山形県と新潟県の県境付近の山間部で復活の兆しが見え始め、現在は新潟県山北町の山熊田、雷[いかずち]、大代という村々、それに山形県関川などが主な産地として知られている。
しゅす[繻子]
朱子とも書く。平織、綾織とともに織物の三原組織として知られている。経[たていと]と緯[よこいと]の交錯する点(組織点)が少ないことから、平織または綾織に比べると生地の表面が滑らかで光沢がある。反面、生地質が弱いのが欠点である。
じゅんれいそう[準礼装]
準礼装は正礼装の次に格式が高い服装で、パーティや式典などに幅広く着用できる。
男性の場合、紋付の羽織袴。羽織と羽織下のきものは黒以外の無地。羽二重や縮緬、お召しなどの生地が良い。その他は正礼装に右習い。
せいれいそう[正礼装]
正装の中で最も格式が高いとされているもので、結婚式・披露宴であれば新郎新婦とその両親、媒酌人、親族などが一般的である。
男性の場合、五つ紋付の羽織袴。羽織と羽織下のきものは黒の無地で五つの家紋が白く染め抜いてある。長襦袢は色柄ものでも良く、半衿も白とは限らずグレーや紺でも良い。手には白い扇子。足元は白いたびに畳表の雪駄で鼻緒も白とは限らず黒やグレーでも良い。
女性の場合、既婚者であれば五つ紋の入った黒留袖あるいは同じく五つ紋の入った色留袖。長襦袢、半衿はともに白。手には金銀の扇子。足元は白い足袋に金や銀をあしらった草履。未婚者であれば振袖。長襦袢は色柄もので良い。半衿は白が基本。足元は白い足袋に畳表あるいは革製の草履。
これに対して洋装では時間帯によって区別がある。
男性の場合、昼はモーニング、夜はテイルコート(燕尾服、ホワイトタイ)とタキシード(ブラックタイ)とされるが、モーニングやテイルコートは共に古い時代衣裳となり、特別な場以外では着られることはあまりない。また、現在ではタキシードを昼過ぎから着用することも多い。
女性の場合、昼はアフタヌーンドレス、夜はイブニングドレスを着用。