あさのはもんよう[麻の葉文様]

必ずどこかで一度は目にされたことがあるのではないでしょうか、麻の葉文様。その由来は定かではありませんが、一説に寄ると麻の葉をモチーフにして柄ができたというよりも、六角形を組み合わせた文様が太古の昔から人々の衣類や紙、医薬品などの原料として重宝された麻の葉っぱに似ていたことから名付けられたと言われています。

この文様は平安時代から使われてきたようですが、特に江戸時代には多くの変化形も生まれ、広く用いられました。その代表的なのが、女形(おやま)の名手といわれた五代岩井半四郎が文化6年(1809)、歌舞伎『其往昔恋江戸染』(そのむかしこいのえどぞめ)で八百屋お七を演じたときに浅葱(あさぎ・薄い藍)色に染めた麻の葉鹿の子の衣裳を着て人気を博しました。これ以降、麻の葉鹿の子は「半四郎鹿の子」と呼ばれ、多くの女性に着られるようになりました。

また、短い期間ですくすくと育つ成長の早さにあやかって、子供のきものや長襦袢、現在では赤ちゃんの肌着の柄に多く用いられています。

白木右近下駄

真っ赤な麻の葉文様が可愛らしい一足。こだわりは、鼻緒の生地まで麻ってこと。



小紋ふきん

麻の葉文様のプリントされた小紋ふきん。大人気の花ふきんよりもやや小さいサイズでお手拭きとして愛用されています。二重ガーゼなので柔らかく、水垢や繊維が残りにくいことからガラス製品を拭くのに重宝されています。

半次郎鹿の子

これぞ半次郎鹿の子のゆかた地。正確には先述の浅葱色ですが、赤や黄色など女性向けに色を変えて染められることが多い。


こども向け長襦袢

お宮参りの一つ身、七五三のきものの下に着る長襦袢としてオレンジが可愛らしい人気の生地です。大人ものとしてはちょっと派手すぎ?勇気のある方はどうぞ(笑)


ひも飾り

麻の葉文様を刺繍であしらった紐飾り。刺繍用の特殊な細い糸を用いて鶴や亀、麻の葉など縁起のいい柄を刺繍します。一つ身にある紐の付け根に子供の成長を願ってご家族や注文を受けたきもの屋が刺繍を施していましたが、現在は注文する客様も刺繍を施す技術を持つ人も少なくなってしまいました。

2007.08.21 あ行